自分に起きるのはどんな災害か、それを知っておくことが防災の出発点です。リスク診断ということになりますが、それには自己診断と専門的な診断があります。

自己診断には限りがあるので専門家の診断を仰ぎたいところです。

専門家のリスク診断を受けようと思ったらどうすればよいでしょう? 専門家に知り合いのあるひとはめったにいません。もうひとつ、防災の専門分野はあまりにも細分化されています。これは医療にたとえていうならば、専門医はいてもかかりつけ医がいない状況といえます。

専門家を探して、たまたま地盤の専門家にたどり着いたとして診断を受けたとします。地盤について液状化は大丈夫だと太鼓判を押してもらっても浸水したのではしようがありません。リスク診断はあらゆる災害種別に対して包括的にやってこそ意味があります。

医療の場合、専門医の所に行く前に、かかりつけの医師に診てもらいます。かかりつけ医は、診断をして薬を処方してくれます。場合によっては専門医を紹介してくれます。防災にも、このかかりつけ医にあたる機能が必要です。