『気象庁が今夏から「線状降水帯を予測」』、と新聞が報じています。これによって、避難の時間がかせげるのだ、とも。

しかし、今夏に間に合うのは、東シナ海の観測を強化することです。観測の強化によって、降水量予測が改善する見込みだという話です。当の気象庁は、『線状降水帯の予測ができるようになった』、などとは言っていません。

もうひとつ、報道で理解できないことがあります。線状降水帯の予測ができるようになると、どうして避難の時間がかせげることになるのでしょう?

昨年の7月豪雨で線状降水帯の予測を問題にしたひとは沢山いたようですが、それがあればなぜ被害を防げるのか聞いたことがありません。「予報が当たらないから災害が減らない!」そう(報道で)発言したいひとは、予報が当たるようになったときに災害が減っていることを示してみせる責任があります。台風予報の精度改善には、すでに目覚ましいものがあるりますが、災害は減っているのでしょうか?

被害を防ぐには、台風や線状降水帯の予測ではなく、いまある情報の使い方次第であると弊社は考えています。

朝日新聞デジタル:豪雨もたらす線状降水帯を予測 気象庁、今夏から発表へ