「全員避難」。最近、メディアや自治体の公報でこの言葉をよく見聞きします。改正災害対策基本法が

5月に施行されたことに関係しています。「避難勧告」と「避難指示」が「避難指示」に統一されてともに「警戒レベル4」に対応付けられました。

「全員避難」、文字通り受け取れば、家にいてはいけないということになりそうです。本当でしょうか? もちろん、答えはノーです。避難先より家の方が安全だという場合があります。避難経路が危険だったり、そもそも外に出るのが危険だという場合もあります。

「警戒レベル4」では「危険な場所から全員避難」ということになっています。それが、中央官庁から伝言ゲームで末端まで伝わるうちに、「危険な場所から」というのが落ちる! 考えられることです。わたしの自治体の公報でも「全員避難」だけです。

軽々しい「全員避難」は「オオカミ少年」になって、避難指示が遵守されない状況の改善になりません。他方で、「危険な場所から」が抜けることで危険を招きます。避難情報の名称は5年前に変更されたばかりです。生活に根付くためにはころころ変わるのも問題です。