菅(すが)総理のメッセージは、味気ないですが、あの日の菅(かん)総理もそうでした。地震が発生した時刻と場所、強さを無機的に述べただけで気象庁の発表と変わりませんでした。しかも、発表は地震発生から2時間後のことでした。

総理のメッセージでは、起こったことの、あるいは起こりつつあることの意味を語ってほしいものです。この意味は、気象庁の伝えたような地震の自然科学的な特徴とは別のものです。意味を語ったうえで、それへの覚悟と態度について述べてほしかったものです。

出来事の意味に気づいて、それを言葉にすることは大事なことです。それによって、わたしたちは、出来事を前にして、自分の運命を自分の手に握る覚悟を固めることができます。これは、「気づき」と呼ばれるわたしたちの心の能動的な働きです。

二人の総理はともかくとして、わたしたちには「気づき」ができているでしょうか? 「気づき」は、おそらく、全人格的な心の働きなのでしょう。それができるためには、自分で考えて行動できるように心を鍛えておく必要があるのだと思います。

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