IPCC(気候変動に関する国連の助言組織)の報告は地球温暖化について明らかになっている科学的所見を述べています。

報告で注目すべきはその内容だけではありません。あいまいさのない表現方法と、その標準化です。

気候変動は非常に複雑なことがらです。表現方法にぶれがあっては伝わりません。たとえば、極端現象です。極端現象そのものは気候変動がなくても起こります。「極端さ」の度合いは、たとえば「10年に1回の出来事」というふうに表現されます。

「10年に1回の出来事」が、近年「10年に数回」起こるようになっていれば、あるいは、「50年に1回の出来事」が「10年に1回」起こるようになれば、気候が変化している可能性があります。報告はそれについて正確に記述しています。

図のような工夫された表現も特徴です。表現は、標準化されていて、すべての命題が、信頼度を表わすhigh confidenceなどの言葉を付けて述べられています。